投資には情報が欠かせないということには異論はないだろう。でも投資に役立つ情報とはどういったものなのか。
人によって情報源は様々だ。
X(旧ツイッター)、ブログ、ニュースサイト、会社四季報、知人、証券会社の担当者などいろいろある。
株式投資の情報というと、すぐに株価に反映されそうな直接的な情報を求める傾向にある。例えば、医薬品会社の新薬が当局からの認可を得たとか、企業の買収や合併、不正事実の発覚などだ。
もちろん、そういった情報が流れれば株価がすぐに反応するわけだが、そういう情報に投資家側がいつも反応できるわけではない。だからこそ血眼になってそういう情報を逃すまいと探し続けがちだ。
むしろ情報を集めるというより、ある一つの情報から将来がどのように動いていくのかを想像してみることのほうが重要なのではなかろうか。
例えば、日本では少子化が深刻だが、中国も人口減少に転じ少子化が問題となっていて、それが将来何をもたらすのか考えを巡らせてみる。どんなサービスや商品が支持されるようになるのか、または衰退していくのか。日本と中国の貿易関係はどう変化して、その恩恵を受けるのはどんな企業なのか。
先日のニュースでは、日本の各地で水道管が破裂する事故が頻発していると報道していた。そしてテレビCMでは高速道路の補修工事を告知している。これらはもう数年前から起きていることで、あらゆるインフラの老朽化が問題であることを示している。こういう状況で活躍しそうな企業はどこなのか。
投資のネタになりそうな情報はもうすでにそこら辺に存在しているのだ。
『韓非子』の「説難」にはこういう言葉がある。
「知ることの難きに非ざるなり。知に処することすなわち難きなり。」
(知ることが難しいのではなく、知ったことについてどう対処するかが難しいのだ。)
情報を得るだけでは不十分なのだ。その情報の先に何が起きるのかを考えることこそ必要なのだろう。
そして情報はすでに溢れるほど存在している。広くアンテナを張り、引っかかった情報を深堀してみるだけで投資のチャンスを見つけることができるだろう。