株式市場で日経平均株価が続落している。
上場投資信託(ETF)の運用会社が分配金の支払いに備え株価指数先物などを売るらしく、またそれを見越して投機筋が先回りして売る動きがあるらしい。
株価の動きを分解すれば、株式市場での動きと企業業績など企業側の変化による動きに分けられる。今の下落局面は株式市場で起きている需給の変化によるものだ。なので企業の実態が大きく変化しているわけではない。
株式市場での動きと企業側の変化による動きのどちらを重視するのかは投資家それぞれだ。でも、企業側の変化がないにもかかわらず、株式の需給によって株価が下落しているならば、これは絶好の買い場である可能性がある。
むろん、株式の需給だけで買いの判断を下すのは危険だが、買うタイミングを見極めるのには役立つ。
ただ、この需給イベントを通過した後、再び上昇基調に戻るかどうかはわからない。株式市場の動きではなく、企業側の変化が起きて、それがネガティブなものであれば株価も弱含みのままになるかもしれない。また株式市場の動きもこの後「夏枯れ」といわれるシーズンが来る。
買うタイミングを見計らっているとなかなか買うことができず、思い切って買ってみたら早まったと後悔してしまうのはよくあることだ。
だから重点を置くのはあくまで企業の業績が上向きなど良い変化があるかどうかにある。買うタイミングを需給の動きで探るが、最終的には思い切って決断するしかない。それで買うタイミングを間違えたと思っても、企業側が良い変化を続けている限りは大きな問題にはならないことが多い。
逆に、企業の変化に気付かないと大変なことにもなりうる。株式の需給はいずれ解消されて元に戻るとしても、最終的には企業そのものがどうなのかにかかっている。肝心の企業がボロボロなら株価もボロボロになるのは当たり前なのだ。