個別株投資においてはなんといっても銘柄選別がカギになる。
そしてその銘柄選別にはいろんな考え方がある。
様々な投資指標を用いて選別するのが典型的だし、私自身もそうだ。
だが、そうやって選別しても、上手くいった場合とそうでない場合がある。
その違いはなんなのだろうかと考えてみると、その銘柄に執着させる何かががあるかどうかなのだ。
利益率が高く成長が続いていて財務内容がいい企業は投資対象になりうるが、投資対象になっても実際に投資するとは限らない。
例えば、その企業が体育会的な体質を持っている雰囲気があるなら自然と投資候補から除いてしまう。なぜか。単純に体育会的な雰囲気が嫌いだからだ。体育会的というのは上下関係が厳しかったり、体力まかせの強引さがあったりする。ワンマン体制になりやすく、パワハラの温床にもなりやすい。こうした企業は、勢いがあっても長続きはしないことが多い。もし、こうした企業に投資したとしても保有している間にいい気分はしない。たとえ利益が得られたとしてもだ。だから投資の検討段階で調べているうちにそういう嫌な臭いを嗅ぎ取ると投資対象からは外れることになる。ただ、臭いだけで実際にそうであるかはわからない。外部から知ることができるのは限られているから自分の憶測でしかないのだ。でもそういう憶測を呼び起こす何かを感じることは重要だと思っている。
あらゆる投資指標で選別したうえで、何か惹かれるものがある企業もある。そうした企業に投資しているとうまくいくことが多い。
惹かれるものは様々だ。商品やサービスということもあるし、その企業理念ということもあるのだが、それは後付けで考えた理屈でしかないこともある。なんだかよくわからないけど惹かれるものがあるということがあって、そういう直感みたいなものは案外侮れない。それはある程度経験によって培われるものなのかもしれない。
確かに投資を始めたころに投資していた銘柄は、今考えるとなぜこんな銘柄を選んでいたのかと不思議に思ってしまう。やはり数多くの失敗も経験することで銘柄選別の精度が上がるものなのだろう。
そして将来からみれば、現在の銘柄選別の精度はまだまだだということになるに違いない。