世の中はわからないことが溢れている。そして様々なわからないことを多くの人が究明しようとしている。
ある結論が出たとしても、それですべてが解明したわけではない。
研究者や専門家はときに曖昧な言い方や煮え切らない態度をとる。それは「わかった」と断定できないからだ。ある前提条件下では成立しても前提条件が変わることで成立しない可能性があるなら、それは「わかった」ことにはならない。わからないことがあるかぎり探究を続け、わからないからこそ断定しないのだ。
コロナワクチンは将来的に悪影響を及ぼさないのか
日本の財政は破綻しないのか
宇宙人は存在するのか
どの株を買えば儲かるのか
どれも断定できない。
にもかかわらず断定的な主張があちこちにある。そしてその断定的な主張に飛びつく。
白黒はっきりしていてスッキリするからだ。曖昧さを嫌う風潮がある。
だがそれは危険なことでもある。
断定的な主張に飛びつくことは、それ以後思考停止することだ。批判や異論を受け入れようとしなくなり視野が狭くなる。
無知であることを知っていること、自分がいかにわかっていないか自覚することを説いた。
安易に断定しない謙虚さを持っていたいと思う。