最近、100円ショップの運営会社が300円~500円の価格帯の店舗を出店しているらしい。業界トップのダイソーは「Standard Products」という新業態を打ち出して人気となっている。
もはや100円ショップも100円均一ではなくなりつつある。これはインフレの兆候なのだろうか。
そんなな流れのなか業界2位のセリアは100円均一を維持している。セリアは利益率が高いことから100円均一を維持できているのだろうが、それをいつまで維持できるかはわからない。
これまで長い間デフレが続いてきたことからデフレに強い企業が台頭してきた。セリアをはじめとする100円ショップ運営企業や、ファーストリテイリング、マクドナルド、ニトリなどといった企業だ。
もし、インフレ傾向が明らかになってきたとしたらこうした企業の勢いは衰えるのだろうか。価格を柔軟に変更できる企業、かつ、値上げしても支持される商品・サービスを提供できる企業でないと苦しくなるだろう。
セリアのように100円にこだわる戦略をとることによって、値上げしにくい縛りを自らに課してしまうことが果たしてどうなのか。インフレ下で100円を維持すれば高利益率のセリアといえども利益率は下がっていくだろうから利益が減り、株価にも影響が出るだろう。むろん、セリアが100円であっても高利益率を維持するオペレーションを確立するかもしれない。
一般に株式はインフレに強いとされる。だがすべての株式がインフレに強いというわけではない。結局はデフレだろうとインフレだろうとその環境に対応できる企業が本当の意味で強いといえるのだろう。そして株式投資で選ぶべき銘柄というのもそういう企業が理想なのだと思う。