投資狂日記

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株主還元の質

最近では日本企業でも株主還元を強く意識するようになってきている。でもその株主還元は、量としては増えたとしても質としてはどうなのだろう。

 

株主還元とはそもそも何か。

配当や自社株買い、それと株式分割株主優待などもある。だがその根本は、企業がその事業活動で得た利益を株主に還元することだ。当たり前といえば当たり前なのだが、日本企業はその当たり前のことが不十分だった。

 

そして株主還元が強調されるようになって、還元に積極的になった企業も現れている。問題は、そうした姿勢が長続きするものなのかどうかだ。

 

最近になって株主還元に積極的になったといっても、その多くは過去に長年に渡って蓄積された利益を吐き出しているだけだ。しかもその利益は低い利益率によるものだ。利益率が低いからこそその蓄積には長い時間がかかったわけだ。見方を変えれば、株主還元したくとも還元できるほどの利益を出せなかったということでもある。

過去に積み上げた利益率の低い利益をようやく株主に還元し始めたとしても、低い利益率のままではいずれ限界が来る。だからこそ株主還元の質はどうなのかを考える必要がある。

 

株主還元の本来あるべき姿は、利益率を高め毎年の利益を増やしていくと同時にその利益の一部を株主に還元していくことだ。いくら配当利回りが高くともそれが一時的だったり、増配したと思ったら数年後に減配したというのでは株主の期待に応えているとはいえない。

 

東証がPBRが1倍未満の企業に対して改善を要望したことで自社株買いなどの株主還元が増える。だが、それが単に一時しのぎなのか、それとも本気なのか長い目で見ないといけないだろう。

目先の株主還元に惑わされると痛い目に遭うことになるに違いない。