先日、NHKのニュースウォッチ9で戦後間もないころ行われた「預金封鎖」についての特集を放映していた。現在の日本の財政状態が悪化しているところでNHKがこの「預金封鎖」について取り上げたことで、ネット上でも話題になっているようだ。
ところで「預金封鎖」は今後再び起こりうるのだろうか。
日本国憲法で財産権は保障されているから、国民の財布に国が手を突っ込むようなことは難しい。だが国は徴税権を持っているから、財政再建という公共の福祉の名のもとに財産税を課すかもしれない。だがその場合は国会で法律を通さなければならず、そんな法律を可決するようなら国会議員は次回の選挙は落選を覚悟しなければならないから、実際にはほぼ実現する可能性は少ないはずだ。
そうなるとやはりインフレにして債務を実質的にチャラにするというところに向かう可能性のほうが高い。結局、預金封鎖でもインフレでも国民の財産が削られることにかわりない。
戦後の混乱期とはいえ、国民の財産を強制的に没収するということが実際にあったということは、頭の片隅に入れておくべきだ。歴史は繰り返すという。再び起きる可能性は少ないだろうが、起きた場合はその影響は甚大なものとなるだろう。