投資狂日記

自由を追求するブログ

労働者かつ資本家という道

衆院選まであともう少しだが、各政党は相変わらず「分配」を強化することを主張している。

この「分配」をめぐる主張で、企業の増加した利益が労働者への賃金ではなく株主への配当として分配されてしまうからだというのがある。確かに株主重視というのは日本でもだいぶ浸透した。だがそれは資本主義の世界ではむしろ当然のことであって、これまで株主が軽視され続けてきた日本企業がそもそもおかしかったのだ。

株主が重視されると労働者が軽視されることになるという二者対立で考えられがちだが、これもおかしい。株主には株式を買うことによって誰でもなれる。労働者であっても株主になれるし、これは労働者でもありながら資本家にもなれるということだ。そして両立することこそ重要なのだ。

 

日本では株式会社に雇用されて労働者として働くことばかりで、株式会社の株主になるという発想がまったく欠けている。

日本では労働者の賃金がまったく上がらなくなっているが、株主への配当は増えている。だとしたら、なぜもっと株主になろうという発想にならないのだろうか。大量に現預金という形で眠っているお金が株式投資に向かえばかなり経済が活性化する。貯蓄から投資へというのはそのためだ。

パナソニックの創業者である松下幸之助は「国民総株主論」を唱えた。

「戦前は資本の大部分が少数の資本家によって独占されていたが、戦後は、大衆によって株式資本が構成されるようになっている。この傾向がさらに進み、国民全員が株主になり、経営にも参加するようになれば、貧富の差は解消され、社会は安定するのではないかと思う。」

 

労働者かつ資本家という二面性を持つことがもっと当たり前になること。これこそが日本における「新しい資本主義」につながるのではなかろうか。