投資狂日記

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「プロジェクトX」の復活に思うこと

かつて人気番組だったNHKの「プロジェクトX」が18年ぶりに復活して、先日土曜日に放送された。

以前の「プロジェクトX」は、日本の戦後の焼け野原から復興し高度成長を支えた名もなき人々の物語で当時の中高年男性に支持された。一方、今回新たに始まるシリーズは、バブル崩壊後の失われた時代がテーマとなる。前回から時が経っていて時代も観る世代も異なり、世の中がどう反応するのか興味深い。

 

初回は東京スカイツリーの建設工事に携わった技術者と職人のドラマだった。あれほどの大きな建造物を建てることは数多くの困難を伴うだろうと想像はつくが、実際の困難がどういったものかは一般人にはわからない。そういう困難に立ち向かい、仕事を成し遂げた人々の姿は感動的だった。

 

だが、そう感じるのは私が昭和的な感覚を有しているからかもしれず、もし、Z世代と呼ばれる人々がこの番組を観たら全く違う感想を持つかもしれない。

番組に登場する人々は、誰もが仕事を頑張っている。時には苦しみ、心身をすり減らしながら仕事に打ち込んでいる。仕事の困難さに伴う身体的・精神的辛さを抱えつつ成し遂げる姿を自分自身にも当てはめて、観る人を感動させる。

 

昭和的な感覚なら当たり前かもしれないが、Z世代からすれば、そんな心身をすり減らしてまで仕事をしたくないと思うかもしれない。この番組に登場する人々は誰もが立派で尊敬に値するが、自分とは違う世界だと感じるかもしれない。

 

失われた時代の間に仕事観も変化している。

現場での奮闘は今も昔も変わらないかもしれないが、むやみやたらに「頑張る」ことに対しては冷ややかになってきているのではないか。昔は理不尽なほどの「頑張り」によって無理を通してきたようなところがあり、それが時に美談にもなった。だが今は違う。

 

FIREという言葉が広まる世の中であるからこそ新たな「プロジェクトX」がどう受け入れられるのか興味深い。