投資狂日記

自由を追求するブログ

個人におけるPL思考とBS思考

PL思考とは、損益計算書(PL)上の指標、たとえば売り上げや利益の最大化を経営の目的とする考え方をいう。これに対してバランスシート(BS、貸借対照表)を重視するBS思考がある。これは企業の価値を最大化すること、すなわち企業が将来稼ぐキャッシュを最大化しようとする考え方をいう。

 

いずれも企業経営についての話だが、実は企業だけではなく個人についても当てはまるものだと思っている。

 

すなわち、世間ではいまだに「年収」とか「所得」といったもので判断されることが多い。婚活では相手の年収が気になるし、税金や社会保障についても所得水準が基準となる。そして国や自治体からの助成金や給付を受けるにも所得制限があったりする。

 

この「年収」や「所得」を指標とすることはPL思考そのものだ。

そこではいかに年収や所得を増やすかで躍起になる。年収が1,000万円にもなれば高収入として羨望の的になり、タワーマンションに住んだり高級外車を手に入れたりするわけだ。だが、その一方で税金などの負担もどんどん増えていく。その結果、手元に残る現金はそれほど多くなかったりする。それでも生活は成り立つので問題ないと思われている。

 

だがもし何らかの理由で収入を得ることができなくなったらどうなるか。PL思考では収入が減ったのなら支出を減らす必要があると考える。でも急激に支出を減らすというのは難しいものだ。だからそういう場合に備えてせっせと貯蓄に励むようになる。こうした行動もPL思考そのものだ。

 

BS思考では貯蓄にとどまらずその先を考える。貯蓄を投資に回し、現金を資産へと変換していく。資産とは将来にキャッシュを生み出すものをいう。するとやがて労働による収入だけでなく資産も収入を生むようになり、労働収入よりも多くなることもある。さらに資産による収入で生活費を賄えるようになれば経済的自由を得た状態となるわけだ。

だからBS思考では収入を増やすことも大事だが、それよりも資産を増やすことを重視する。

 

先日、テレビのニュース番組で、年金だけでは生活が苦しい高齢者について取り上げていたが、老後のことについて考えるならまさにBS思考でないと苦しくなるに違いない。

高齢になっても働きたい人は多いようだが、その仕事が苦しい生活をしのぐ収入のためになるのか、自分の好きな仕事を収入に関係なく生き生きとすることになるのか、それはPL思考のままかBS思考になるかで全く異なるようになるだろう。