先日、私の妻と娘が首都圏の合同学校説明会に行ってきた。来年中学3年となる娘も高校受験を意識し始めている。パンフレットをたくさん抱えて帰ってきたが、説明会の会場案内図のパンフレットに高校就学支援金制度について記載されていた。
高校就学支援金は高校進学を希望する子どもを持つ家庭の教育費負担を軽減するために、国や自治体が授業料の全部または一部を支援する制度だ。補助を受けるには世帯年収などの条件があり、年収が基準を超えていなければほぼすべての家庭が対象になる。
こういう支援金のみならず、児童手当など各種手当の多くは所得や年収の制限が設けられている。こういう制限は必要だが、一方で疑問に思うこともある。
それは資産の保有状況が全く考慮されていないということだ。
例えば、株式投資で莫大な資産を築き、その資産による収入のみで生活できるようになった場合、極端にいえば所得を限りなく少なくすることは可能だ。その場合、多額の資産を有しているにもかかわらず所得が少ないがために制度的には貧乏な低所得者ということになる。
こういうことはけしからんから資産額で制限すべきと言いたいわけではない。
そういう正義感を振りかざすより、そうした制度の歪みを理解したうえで合理的に行動することが現実的だと考えている。
いまのところ税金や社会保険料の面で一番不利なのはサラリーマンだ。そしてそれを標準として制度が設計されている。裏を返せばサラリーマンという立場から離れると様々な可能性が広がりうるのだ。
そして目指すべきなのは所得を増やすことではなくて資産を増やすことだ。
資産を増やすには所得が増えなければ達成できないと思うかもしれないが、そんなことはない。資産は次第に資産自体が増殖するからだ。
逆に最も危険なのは、年収が多いにもかかわらず資産がほとんどないという状態だ。婚活などで相手の年収をいまだに気にしている人が多いけど、年収が多いからといって裕福とは限らないことに気付いていない。
闇雲に所得を増やしたとしても、それに応じて負担が増えるだけだ。それでもかまわないというのならいいけど、そうでないなら自分で考えて行動するしかない。