米国株が強い。S&P500指数はついに5,000を突破した。急激な利上げをしても株価が上昇し続けるのだからいかに経済力が強いかがわかる。
こうした状況をみて、日本からも米国株への投資が人気化している状態だ。
問題は、こうした状態が続くのかどうかということだ。
米国株の上昇といってもその中身はGAFAMと呼ばれる5社にテスラとエヌビディアの2社を加えたマグニフィセント・セブン(M7)の影響が大きい。この7社を除いてしまうとパフォーマンスは平凡になってしまうほどだ。
だから米国株の強さが続くとすれば、このM7が引き続き引っ張っていくことになるか、あるいはM7に代わる新たな勢力が勃興してくるかどうかだろう。
ここで鍵になるのはAIと半導体ではなかろうか。この分野でも米国企業はリードしているといっていいから米国株の強さも続く可能性は高い。
だが、株価の指標上では割高になりつつあるのも確かだ。期待が膨らむ一方で、業績が伴わないことが明らかになってくればその期待も剝げ落ちて逆に深い失望をもたらしかねない。一度逆回転が始まればなかなか止まらないかもしれない。
そしてなんといっても大統領選挙が控えている。どんな結果になったとしても米国内の分断は決定的になって社会が混乱してしまうのではないか。それが世界経済にも影響し株価を急落させるかもしれない。
とはいえ、急落したとしても期待で膨らんでいたM7だけかもしれず、その他の企業は意外と堅調だったりするのかもしれない。
いずれにしろ、調子が良くて楽観ムードが漂い始めているときは警戒しておいたほうがいい。市場というのは多くの人が群がってくると時折大きな力で一斉に振り払ってしまうものだ。
そして今はまさに市場に人が集まりつつある。
「疾風に勁草を知る」という言葉がある。私の好きな言葉だ。
逆境の時こそ本当に強いのが誰かがわかる。平穏なときには見えなかったことが、逆境になってあらわになる。
強烈な風が吹く時が必ず来る。
そして強風が吹いても倒れない強く丈夫な草となれるか。
企業も投資家もいつか問われる時がくるだろう。