アメリカでは利上げがようやく打ち止めになったかと思えば今度は利下げすら想定されている。インフレ抑制から景気減速への警戒が強くなった。
潮目が変わったようだ。
日米の金利差が縮まるということで為替が円高へ進んだ。といっても依然として差は大きく、これ以上一気に円高になるとも思えない。
潮目が変わったことで株式市場にはどんな影響が考えられるか。
まずは行き過ぎた円安によって業績拡大していた企業には逆風が吹く。とくに円安の恩恵にどっぷりと浸かり甘えきっていた企業はそのメッキが剥がれることになるだろう。ただ、円安局面においても事業の足腰を鍛えていた企業にとってはそれほど影響はないかもしれない。明暗がくっきり分かれるはずだ。また、円安に苦しんでいた企業にとっては巻き返しの機会となる。
そして、利上げが続いたことでグロース株には厳しい状況だった。一方でバリュー株の優位が続いていたが、その流れも逆転する可能性がある。そしてバリュー株が多い大型株からグロース株が多い中小型株へと資金の流れはシフトしていくかもしれない。
先行きが怪しいこともある。
まずは日本の国内政治状況だ。年末にかけて岸田内閣の支持率は下がり、さらに政治資金の裏金問題が追い打ちをかけている。自民党の派閥力学が流動的になってどう作用するかわからなくなっている。来年には首相が変わっているような気がする。積極財政派と財政規律派の綱引きに加えて日銀の動きによって波乱が起きるかもしれない。
そして世界に目を向けると、やはり中国の経済が気がかりだ。大きな経済的ショックが起きるとすれば、それは中国発ではないかと思っている。中国の不動産バブルは日本の場合とはケタが違う。その影響は世界に波及するはずだ。
思い浮かんだことを書いたが、あれこれ想像したとしても所詮想像でしかない。
実際になってみないとわからない。
予想していたことが起きないこともあるし、想定外のことが起きるのも現実だ。
今年もいろいろなことがあったが、来年もきっととんでもないことが起きるのだろう。
ただ、世界の大きな潮流は掴んでおきたい。
そこから自分がコントロールできることに注力するだけだ。