日経新聞の記事に「膨張債務、金利上昇に弱さ 企業は50兆円過剰」というのがあった。
国と企業、家計の債務が膨らみ、日本経済の「利上げ耐性」が落ちているという。ひとたび金利が上昇に転じれば、利払い負担の増加で経済に強い下押し圧力がかかる可能性が高くなる。
民間企業が抱える債務は不良債権問題が深刻だった2000年3月以来の高い水準にあるが、これはコロナ禍で企業の資金繰り支援により債務が増加したからだ。制度によって国や自治体が金利を肩代わりしているが、その期限が終われば利払い負担が重くのしかかることになる。新規借り入れも難しいとなれば資金繰りに行き詰まる企業が続出するかもしれない。
家計では変動金利の住宅ローンが影響を受ける。金利上昇による利払い負担の増加は家計のやりくりに相当なダメージになる可能性がある。
そして政府も財政状態は厳しい。財務省の試算では、金利が想定より1%上昇した場合、25年度の元利払いの負担は3.7兆円増えるという。
物価上昇が続くようであればいずれ利上げという局面が来る。
そのとき株式投資の観点からは金利上昇に耐えられる企業かどうかというのが重要なポイントになるだろう。借り入れに依存している企業はリスクが高い。
とはいえ日銀が利上げに踏み切れるかどうかはわからない。むしろ利上げに踏み切るかどうかではなくもはや身動きができない状態なのではないか。それを悟られないようになんとか必死にごまかしているような気もしている。
景気を下支えするために金融緩和しているが、景気がよくなってしまうと金利上昇圧力がかかりヤバい状態になるという状況を考えると、現状維持が望ましいということになるのだろう。
それが続くのか。続けられるのか。続けようとしてもそれを許さない波が押し寄せて否応なく流されることもある。
今日、日本では内閣改造が行われた。
ウクライナ紛争はまだ続いている。中国は台湾に圧力をかけ、米国との対立も深刻になっている。その米国ではトランプ元大統領への捜査を巡って対立が深まるだろう。
世の中は動いている。そして経済も動く。金利もそれに応じて動く。
その金利の変動に弱いところにいることは意識しておかないといけない。