株式投資において「勝ち」とは何を意味しているのか。
おそらく儲けたときに勝ちで、損したときが負けというものだろう。
でもこれがくせ者だ。
例えば、売買で1,000円の勝ちを99回したとしてもたった1回の売買で100,000円負けた場合はどうか。
勝率では9割9分という驚異的な数字だから圧倒的な勝ちだ。だが金額では99,000円勝ったが100,000円負けてトータルでは1,000円の負けだ。99回もトレードで勝ったにもかかわらず結局は1,000円損しているわけで、これで本当に勝ったと言えるのだろうか。
裏を返せば、99回負けたとしてもたった1回大勝するだけで大成功ということもあるわけだ。要は、取引で勝つ回数を増やすことはあまり意味がないということだ。むしろ取引の頻度を減らし、一つ一つの取引で大きな成果を生み出すことに力を注いだほうがいい。
そうするためには何に着目すべきなのか。
取引ごとの勝ち負けにこだわってしまうのは、株価という価格に囚われすぎるからではないか。
株価ではなく企業の「価値」に目を向け、その価値が増殖していく企業に投資する。投資した企業がより多くの価値を生み出すように成長するのであれば、株式を売買することなく保有し続けていればいいだけだ。
企業の「価値」に目を向けることこそ株式投資の「勝ち」につながるのではなかろうか。
ただ、企業のことをもっと知ろうとすることは必要だ。知ろうとすることで保有する根拠がより強くなる。わけもなく株価が上がると信じているのでは、宝くじが当たるように神頼みをしているのと変わらないことになり、大きな利益どころか大きな損失となりかねないだろう。