相変わらず株式市場では乱高下が続く。
10%近く下がったと思えば翌日には10%上昇したりする。こういう状況をみて、「株価とは何ぞや。」と思わずにはいられない。
株価というのは株式の価格。
では株式とは?
この問いにしっかり答えられる大人は実は少ないのではないか。株式投資が広まらないのもそもそも株式というものがわからないからだ。子供に質問されたら答えられる大人はどれくらいいるのだろう。グーグルで検索すれば簡単に出てくるだろうが、子供にわかりやすく説明するのは案外難しい。
ではその株式の価格である株価はどうやって導き出されるのか。
いくつか算出方法はあるが、理論的には「企業が将来的に稼ぎ出すキャッシュフローの割引現在価値」だといわれる。簡単にいえば株価は「企業の稼ぐ力の価値」ということだ。理論的にはそうなのだが実際に算出するとなると困難だ。将来のことなんてわからないのだから。
だから実際の株価というのは人々がそれぞれ想定した企業価値の多数決にすぎない。
では、この企業の稼ぐ力はどう変化するのか。
景気変動などいろいろな要因によって変化する。その変化が株価に反映されるわけだが、株価と企業の稼ぐ力は本当に一致しているのだろうか。多数決だからといってそれが正しいとは限らない。価格と価値は一致していないのではないか。
新型コロナウイルスによって企業の業績は悪化するだろう。企業の稼ぐ力は低下する。よって株価も下落するのだが、どれくらい下落するのかはまた別問題だ。ある企業は致命的な打撃を受けるかもしれないし、ある企業は影響が少なく済むかもしれない。
その影響の度合いがわからないことが乱高下する株価の背景にある。
とはいえ、企業の稼ぐ力が日々の株価ほど変化しているわけでもない。
ただ株価だけが独り歩きしている。
株価が企業の稼ぐ力を反映しているようには見えない。
今、株価は感情の多数決になっている。
むろん企業の稼ぐ力を見極めるというのは難しい。
それがわからないからインデックス投資をすべきというのが合理的なのだろう。
でもあえて企業の稼ぐ力を測りたい。
今の株価は妥当なものかどうか突き詰めたい。