昨日、テレビ東京のカンブリア宮殿スペシャルでニトリが取り上げられていた。ニトリはこのコロナ禍にあっても業績好調な企業の一つだ。
そのニトリのテレビCMでは「お値段以上」という言葉が出てくる。
価格が安いのはもちろんなのだが、安かろう悪かろうではなく一定の品質を保持しているので「いいものを安く買えた」というお得感がある。これがニトリの強さを生んでいる。
この「お値段以上」という考え方は株式投資の本質にもかかわっている。
ウォーレン・バフェットの有名な言葉に「価格は支払うもの、価値は受け取るもの」というのがある。
ニトリの顧客は支払った価格以上の価値を受け取っている。だからこそ顧客に支持され業績がついてくるのだ。その業績が企業価値を増大させ株価を上昇させる。
価格と価値の比較。やはりここが肝なのだ。
価格以上の価値があるものを手に入れることで富を得られる。
株式投資では株価と企業価値を比較して、株価以上の企業価値があるかを探るのだ。
だが企業価値というのは容易に測れない。理論的な算出方法はあるが、その算定には予測が混じっており唯一絶対のものではなく、人によって算定結果が異なる主観的なものにならざるを得ない。
株価は、投資家がそれぞれ主観的に算定した企業価値の多数決みたいなものであり、それが常に企業価値を正確に表しているとは限らない。そこに株価と企業価値が乖離する可能性が生じる。価格以上の価値を手に入れる機会が生じるわけだ。
だが自分の算定する企業価値が妥当なものなのか、ということが常に付きまとう。
そこで、そもそも企業価値を計ることなんて無理と考える人はインデックス投資へ向かい、そもそも企業価値というものに関心がない人は株式市場における株価チャートの動きによる投機に向かう。
私は自分なりの企業価値算定をして、株価と比較することを突き詰めたい。
企業価値をどう計るかは人それぞれだ。
さて、ニトリの企業価値はどうなのなろう。
株式市場における「お値段以上」なのだろうか?