年明けから株式市場は下落が続いていて、コロナ禍になってから株式投資を始めた人にとっては初めて経験する状況であるに違いない。
おそらくここで二通りに分かれるだろう。
損失を抱えたことでうまくいかなかったと早々に諦めて投資を辞めてしまう人と、ある程度こうなることを想定していて痛みを感じつつもなんとか続けようとする人だ。
これを分けるものは何か。
それは投資への真剣度の違いではなかろうか。
なんか儲かりそうだから、知り合いが始めたから、といった感覚で始めた人はおそらく株式市場から退出していく。行き当たりばったりで思いつくままに投資していても上手く行くはずがないし、それほど投資は甘いものではない。
これは日本だけのことではなく、米国でも一時流行ったロビンフッドという証券会社を使った株式取引は下火になっているらしい。そういう「にわか投資家」が逃げ出しているからこそ株式市場では売りが売りを呼ぶことになり、株価の下落が加速する。そして逃げ出した人の多くはもう戻ってこない。来るとすれば株式市場が好況になって儲かりそうだと思ったときだ。そうやって「にわか投資家」が集まったり散り散りになったりする。
日経平均ボラティリティー・インデックスが30ポイントを超えたあたりで逃げ出す人々がピークになるような気がしている。今日の日経平均株価は上昇し、日経平均ボラティリティー・インデックスは25.3ポイントまで下がっている。再び相場が下落することもあるだろうが、逃げ出す人が逃げ出してしまえば流れは変わる。
株式市場はいろんな思惑を持った投資家が集まり株価が形成される。そして人間である以上は感情に左右される。たとえAIが発達しようと、そのAIも人間の感情の動きに基づいているわけだから同じなのだ。そしてその感情はときに企業の本質的価値とかけ離れた株価を示すことがある。
後になって今の状況を振り返ったとき、おそらく「投資するには絶好の投資機会だった」と言われるようになるだろう。