会計の本というのは大抵とっつきにくい。数字や難解な会計用語が出てくることが多いからだ。これに世界史という歴史がくっつく。歴史は暗記もので苦手だったという人にとっては興味ないものだ。この2つがくっついているのだからこの本のタイトルを見ただけで目を背ける人もいるだろう。
だがこの本は面白い。
この本の著者は公認会計士受験の予備校で講師をしていて、私はその講義を受けていたことがある。その講義はとても人気があった。話がうまくてわかりやすいのだ。話がうまい人は本を書いても面白くなるものなのだろう。この人が書いた他の会計に関する本もわかりやすく書かれていた。
この本で描かれる歴史といっても誰もが知っている歴史上の有名人のエピソードみたいなもので堅苦しさは全くない。
会計についても歴史を紐解くことで「そもそも会計とは何か」という本質に自然と触れている。
会計を学びたいけど難しそうで躊躇している人はまずこの本を読んでみるといいだろう。同じような本でジェイコブ・ソールの「帳簿の世界史」があるが、この「会計の世界史」のほうがはるかに読みやすい。
投資をするにあたって会計の知識は強力な武器となる。その武器を手に入れるための第一歩としてこの本はふさわしい。