投資狂日記

自由を追求するブログ

新型コロナであぶり出されたこと

今のような緊急時になると、世の中の不合理な面が明らかになる。

 

新型コロナウイルスの影響によって困窮した人々を救済すべく様々な制度ができたが、たとえ制度があってもその使い勝手が悪かったりする。書類を何種類も集めなければならないとか、申請書の文言が難しく細かかったりする。そして書類を抱えて窓口に行かなければならない。人との接触をなるべく避けなければならない状況なのに。

自分自身で手続きするにはハードルが高いのだ。制度が存在しても使えないのでは意味がない。

そこで専門家が間に入ることになる。税理士、社会保険労務士、行政書士などなどが手続きを代行していく。役所のほうも専門家とやりとりしたほうが話が早い。だから書類の形式は専門家仕様になって難解なのだ。そうやって役所と専門家は持ちつ持たれつでここまできたのだ。だがその限界もこの新型コロナウイルスで明らかになった。

 

政府が働き方改革を唱え生産性向上を図ろうとしているが、非効率なのは役所であることがはっきりした。ITを活用してできることはたくさんあるはずなのに、それをしてこなかった。もっとも、IT担当大臣がまったくITを知らないという政府では無理もない。ITがわからない人間がIT担当大臣をしていることが世界中で笑い話になっているが、IT担当大臣自身が笑い者にされていることにすら気付いていない。通常の感覚なら、自分が知らない分野の大臣になったら恥をかくだけだと思うが、この国の政治家はそういうことに無神経らしい。台湾のIT担当大臣が新型コロナ対策で目覚ましい成果を上げているのと比べると雲泥の差だ。

 

企業においても無駄な書類のやりとりがあるものだ。これまでやってきたやり方は新型コロナウイルスによって無駄が明らかになった。そしてそのやり方に依存することで存在していた人材もあぶりだされる。

企業のカタチも大きく変化するだろう。大人数が集まる都心のオフィスはいらなくなるかもしれない。通勤地獄というのも過去のものになるかもしれない。働いた時間ではなく成果により評価されるようになっていくだろう。それが雇用関係にも影響してくるかもしれない。

 

大きな変化に取り残される者と、変化に対応してさらに成長する者とに明らかに分かれることになる。企業も同じだ。業績の見通しができない今、変化に対応できそうかどうかを投資の観点から見極めていきたい。