中国の武漢で発生した新型ウイルスが広まり、世界が警戒している。ちょうど中国の春節が始まり観光にも影響が出るということで経済的な打撃が予想され、株式市場も軟調になっている。
たしかに観光地を中心として経済的には痛手だろうが、ここは冷静にみるべき局面だと思う。
株式市場では、新型ウイルス蔓延による経済停滞が企業の業績に影響することを懸念しているが、その影響は企業によってまちまちのはずだ。ウイルスの感染も心配だが、株式市場における投資家の悲観の感染力にも気を付けないといけない。
この悲観が蔓延し始めると、実態以上に株価が下落しがちだ。だとすれば逆に投資するチャンスが巡ってくる局面でもある。
私の好きな本に「投資で一番大切な20の教え」(ハワード・マークス著)があるが、この本のなかで「二次的思考」という言葉が出てくる。
ある事象が起きたとき、それにすぐに反応して直接的に考えるのではなく、いったん立ち止まってその事象について深く考察するようなことを「二次的思考」という。
投資においてはこの「二次的思考」をすることが大切とこの本で説いている。
新型ウイルスで企業業績に悪影響が出る→株価下落
というのは一次的思考で、表面的でもあり短絡的でもある。
ここでいったん立ち止まり、業績にどれほど影響が出るのか、その影響はどこまで続くのか、逆に業績にプラスになる企業はないのか、など思考を巡らすときだ。
ちょうど3月決算企業の第3四半期決算発表が本格化し始める。このタイミングで新たな候補銘柄を発掘することができるかもしれない。