今回は日本カーボン(5302)をチェック。
国内初の人造黒鉛電極を製造した炭素工業分野の草分け。主な製品としては、電気製鋼用の人造黒鉛電極をはじめ、宇宙航空分野や産業分野などに広く用いられる炭素繊維、結晶シリコン製造用の高純度黒鉛、リチウムイオン電池の負極材、主に宇宙航空産業分野で使用される炭化ケイ素連続繊維など、なかなか興味をそそるものが多い。
業績は回復基調だが波があり、黒鉛電極の需給状況に左右されやすいといえる。利益率やROEも年によって振れ幅が大きい。ただ、営業キャッシュフローは増減はあるものの振れ幅はそれほどでもなく、意外と手堅い印象がある。
株価水準は予想PERでたったの3.4倍。配当利回りは4.8%にもなる。ただPBRは1.16倍あり割安かどうか判断するのはなかなか難しい。会社発表による業績予想では純利益が前年比27.3%増加となっており、第1四半期決算でも業績予想は据え置いている。今後の見通しは不透明なところがあり、業績の下方修正があればPERの水準も上昇してしまう。
とはいえ現状のPER3.4倍というのは割安ではなかろうか。株価は5月以降下がった後はずっと横ばいが続いている。これ以上株価が下がる余地はあまりないように思えるが、さてどうだろう。配当も減配の可能性は頭に入れておかなくてはいけないが、キャッシュは十分あるのでそれほど心配はないか。
【独断と偏見による現時点での評価(5段階)】
成長性 ☆☆☆
割安性 ☆☆☆☆☆
財務健全性 ☆☆☆
投資魅力度 ☆☆☆☆
※あくまで個人的な見解であり、投資を推奨するものではありません。この記事により損失が生じたとしても責任は負いません。投資は自己責任でお願いいたします。