飲み会で最初の注文は大抵「とりあえずビール」であることが多い。
この「とりあえず」という言葉を頻繁に使う人がいる。
「とりあえず」は、「急いで、間に合わせの処置として、さしあたって」という意味だ。だけどそこには微妙なニュアンスが含まれていて、使い方を誤ると相手を不快にさせることもある。
例えば、上司から「これについての資料を至急作って」と仕事を頼まれて、「とりあえず作りました」と答えたら、上司はどう感じるだろうか。おそらくその資料のクオリティは低いと思われるだろう。「とりあえず」ということは間に合わせということであり、やっつけ仕事ではろくな中身ではないと判断してしまう。部下としては「急いで」という意味で「とりあえず」という言葉が出たのかもしれない。言葉の認識の違いで、実際はクオリティが高い仕事でも最悪の場合目を通してくれないこともありうる。そうなったらその部下の評価が落ちてしまうことにつながりかねない。
仕事に限らず日常の判断で「とりあえず」という言葉を頻繁に使っていたら、おそらくいつも場当たり的な判断をしていると思われるだろう。
そして場当たり的な判断で物事を決めていたら長続きしない。
とりあえず何かを始めても、何か問題が生じたらとりあえず別の何かを始める。
「とりあえず」は当面の時間を埋めるにすぎず、なにをすべきか深く考えていないからだ。
それを繰り返して結局何も身につかない。
あらゆる思考のはじまりが「とりあえず」で、行動が軽率になる。
自分のブログで「とりあえず」という言葉をどれくらい使っているか気になって、ブログ内を検索してみたが、幸い7つの記事しかヒットしなかった。
「とりあえず」という言葉を頻繁に使っているなら、とりあえず使うのをやめるよう意識したほうがいい。
もし、株式投資で「とりあえずこの銘柄」を「とりあえず買う」、「とりあえず売る」なんてことをしていたらおそらくうまくいくことはないだろう。