昨日、岸田首相が衆議院解散を見送ることを明言した。解散になれば株高になりやすく、最近の株高の勢いをさらに加速させることも期待できたがそうはならなかった。
広島サミット後の支持率水準なら絶好のタイミングだったものの、首相秘書官である長男の不祥事とマイナカードの不手際などで支持率が下落傾向となっていることが影響しているのだろう。
内閣不信任案を出す構えの立憲民主党は、外見上は勇ましいけれど内心は解散にびくびくしているのが本音だったのではないか。首相が解散しないことを明言したから心おきなく安心して不信任案を出すことができる。否決されることが目に見えていることをあえてすることにどれだけ意味があるのかわからないが、やってる感を醸し出すことが党の存在意義なのだろう。
もし現在の時点で解散して選挙したらどうなっただろう。
争点はいろいろあるのだろうけど、突き詰めれば首相の権力基盤が強化できるかどうかの選挙でしかない。
与党の自民と公明の仲がぎくしゃくしていることもあり苦戦していたかもしれない。その分、日本維新の会が躍進すると思われている。立憲民主党はさらに沈むのではないか。もうウンザリ具合に拍車がかかっている。
結局のところ与党が議席を減らすものの安定多数は維持したのではないか。一方、野党のなかで勢力が入れ替わり、維新が野党第1党になることも考えられる。ただ、維新も選挙準備がまだ十分ではないらしいので、立憲民主党が野党第1党を維持したかもしれない。所詮その程度で満足する政党でしかないのだ。
それにしても岸田首相にはそもそも解散に打って出る胆力はあるのだろうか。
できるだけいいタイミングでと考えているのだろうが、現実はなかなかそうならず状況が整っていることのほうがむしろ稀といっていい。チャンスを伺っているうちに時間だけが進み、逆に追い込まれることだってある。
多少の不利が見込まれても、それを強気で突破していくぐらいの迫力があってもいいはずだが、岸田首相にはそういう気迫が見当たらないように思える。
後になって「あの時解散しておけばよかった」とならなければいいが、果たしてどうなるか。