決算発表が多いシーズンになった。
気になるのは決算の内容ではあるのだが、その決算発表後の株価というのも気になるものだ。
ゴールデンウイーク後、保有銘柄ではマークラインズ、カナミックネットワーク、コムチュア、芝浦電子の決算発表があった。内容はどの銘柄も悪くはないのだが、決算発表後の株価は明暗が分かれている。
マークラインズは大幅増益、芝浦電子は予想配当が25円増配ということで株価がストップ高となった。
一方、カナミックネットワークは業績が堅調にもかかわらず株価が下がり続けている。コムチュアも10期連続増益で過去最高だったが株価は軟調だ。
決算内容がいいのに株価がパッとしないということはよくあることだ。内容が良くても投資家の期待を上回らないと株価は下がる。投資家の期待がどれくらいあるかによって株価が左右されるから厄介なのだ。
投資家の期待というのは文字通り期待でしかなく、その期待が実現するかどうかは不確かだ。期待しすぎていれば期待通りにならなかったときの失望が大きくなるし、まったく期待していなかったのに予想外の結果が出るとその驚きも大きくなる。また、コロナ禍という状況下にあることも投資家の期待に影響を与えることになる。日経平均ボラティリティー・インデックスが20ポイントを上回っている状況を見ても、株価がブレやすくなっている。
こうした期待に振り回されることになっても、それは短期的な視点でのことだ。長期的にみれば株価は次第に決算内容どおりに反映されてくる。
決算内容が悪くないのに株価が下がれば残念に思うのは当然のこと。だが、良いと思っていた決算内容に悪材料が潜んでいないかは調べてみる必要がある。そうした懸念材料が見当たらないのであれば過度に心配する必要はない。
現在の株価というのは他人の評価でしかない。まさにケインズのいう「美人投票」のたとえ話のように、自分以外の多くの人々の人気投票の結果だ。
将来の株価がどうなるかを自分自身で評価することに株式投資の醍醐味がある。
保有銘柄について決算発表後の株価は明暗が分かれているが、今後どうなるかじっくり観察していきたい。