日経新聞朝刊の連載小説「ミチクサ先生」を読んでいて、明治維新後の社会の変化について触れているくだりがあった。
現在も大きな変化の真っ只中にいるといわれるけど、その変化にどう対応していくか、もしくは、対応できているのか考えてしまう。
明治維新後、廃藩置県などの新制度によって武士階級はなくなり士族となったが、多くの士族はそれまでの武士としてのアイデンティティを失い、不平不満を抱えた。それが各地の反乱を引き起こしたものの、西南戦争を最後に収束した。
だが士族のすべてが不平、不満を抱いていたわけではない。
渋沢栄一は実業界へ進出し、福沢諭吉は慶應義塾を創設したように、新しい分野に向かう士族もいた。
この違いはなんなんだろう。
これが格差のもとなのだろうか。
今後、日本のサラリーマンは明治維新後の士族のようになるかもしれない。
年功序列・終身雇用は崩れ、新卒採用も変化している。
そうした変化に不平不満を持つ人も多くなる。
だが一方で新しい分野へ向かう人もいる。
今が本当に時代の変わり目なのかは後になってわかることだ。
だが不平不満を持って生きているかぎり、時代の変化には対応できない。