年末が近づいてくると宝くじ売り場が賑やかになってくる。
私は宝くじは買わない派だが、妻は買うつもりらしい。
「当たる確率は交通事故に遭う確率より低いのに」と言っても、「当たるかもしれないじゃん」と言い、さらに「当たっても言わないからねー」なんて言う始末だ。まあ買うのは自由だから「あ、そうですか」で済むのだが、その後の一言が妙に心に残ったのだ。それは、
「年に1回くらい世の中のためになることに使ったっていいじゃない」
だった。宝くじを買うことが世の中のためになる、という発想にハッとしたのだ。確かに宝くじで集められたお金は何かしらの公共事業に使われることになるから、見方を変えれば寄付みたいなものだ。その一部が天下り役人の懐に行くとしても、世の中の役に立つことに使われるなら宝くじを買う立派な理由となる。
だから妻も宝くじが当たるなんてもともと期待していないのだ。
宝くじを買うというと、どうしても当たることを考えてしまい捕らぬ狸の皮算用をしてしまう。私は経済的な合理性で判断して、宝くじは割に合わないお金の使い方だと考えていた。
損得勘定に囚われすぎるのも考え物だなと反省しつつ、妻が宝くじを買うのに付き合おうかと考えている。