「人は1年でできる事を過大評価し、10年でできる事を過小評価しすぎる。」
という言葉を耳にしたことがある。
人は1年もあればいろいろなことができると思ってしまう。言い換えればすぐに成果が出ると期待してしまうことでもある。そしてあれこれ多くの目標を掲げるが、結局どれも達成できなかったりする。
さらに1年でできないのなら10年先も結局大したことはできないと思ってしまう。
よくよく考えてみると、今と1年前では世の中が劇的に変化しているとはいえない。むろん、ウクライナ侵攻のような大きな出来事があり物価が上がるなどしているけど、日常生活に根本的な変化があったわけではない。
でも10年前と今を比較するとスマートフォンの登場やSNSの発達などで生活は大きく変化している。10年前に今の状況を想像できたとは思えない。
おそらくこれから10年後は想像できないほど変化しているのだろう。その変化がどういうものかを予想することはできない。予想したとしてもそれが当たるとは限らない。
長期投資するのはこうした変化に便乗するためでもある。10年先は長いとしてもいずれ到達するし、その過程を追い続けることはできる。10年かけて起きる世の中の大きな変化は複利効果と似ていて、最初は小さな変化しかないが、時が経つほど大きな変化となる。
でも人は1年でできることを過大評価し、目先の株価の動きからちまちま売り買いして大きな成果を得ようとする。10年後など遠い未来を考えてもしょうがないと思ってしまう。まさに10年後を過小評価するのだ。
1年後の世の中は今とたいして変わっていないだろう。だがなにかしらの変化の兆しはあって、それが10年後には大きな変化となる。
10年後を想像することは難しいし、想像すること自体無駄かもしれない。でも小さな変化の兆しには敏感でありたい。そこにこそ投資の種があるかもしれないのだ。