もうすぐ新年度が始まる。この機会に株式投資を始めようと思っている人もいるだろう。そういう人も含めて世間での「株式投資」についてのイメージは、「株式市場での売買によって儲けるもの」ということだろう。
私はこれにすごく違和感を持っている、というより持つようになった。
どういうことかというと、このようなイメージの「株式投資」というのは「株式市場」というものが存在してはじめて成り立つものだからだ。
テクニカル分析も効率的市場仮説もインデックス投資も「株式市場」という場を分析して存在している。日々の価格変動を分析してそこから利益を得ようとすること自体、別に悪いことではない。
しかし、極端に言うならもし株式市場というものがなくなったら、株式投資というものが成り立たなくなることになる。ここに違和感を感じているのだ。
株式投資というのは文字通り「株式」に投資することだ。株式というのは株式会社である企業が発行するものなのだから、株式に投資するということはそれを発行する企業に投資することだ。だから株式投資するにあたっては、企業そのものを分析するのが本来の姿のはず。だが世間では株式市場そのものに目が行き、株式すなわち企業ではなく「株式市場」の分析ばかりしている。
この違和感はきっとなくならないだろう。