投資においては「先回りすること」が大事だと思っている。これは他人と同じことをしないことにも通じている。
他人と同じことをしていては大きく儲けることはできない。みんなとは違う発想、行動でみんなが気づかないことに気づく可能性が高まる。みんなが気づいていないところにチャンスがあり、それにみんなが気づく前に手を打つ。
投資に限らず、起業でも同じだろう。
そう考えると、株価が動くのはみんなが気づき始めている兆しともいえる。いわゆる「株価に織り込み始めた」という段階だ。
将来にある事が起きそうなとき、それによる影響を予想してあらかじめ行動する人が現れる。はじめは少数だが次第に増えていって、やがては株価が動くほどになる。
株価が動くほどになった時点で行動し始めるのはもはや遅いのだ。この時点になって動いても儲けは少ない。
今、日銀がマイナス金利を解除する可能性が高まっている。その影響を考え、多くの人が行動に移したことで株価や為替が大きく動いた。
3月か4月か、それともそれ以降なのかわからないが、いずれはマイナス金利は解除されるのだろう。だからもうすでにマイナス金利が解除されたものとして行動しはじめている。
実際にマイナス金利が解除されれば、マイナス金利が解除されるのか否かはっきりしない不透明な状況がクリアになるわけで、その後は本来の価値を見直す動きにつながるかもしれない。
日銀の金融政策に敏感に反応しているのがREITで、マイナス金利解除を想定して価格が軒並み下落している。つまりマイナス金利解除を先回りした動きであり、実際に解除されたら悪材料は払拭されることになる。そのとき、本来の価値が見直され、割安と判断されるものは買われることになるのではないか。
私はそう考えてREITに投資した。
REITは確かに金利上昇に弱い。だが、すべてのREITが弱いわけではなく、金利上昇に耐性のあるREITも存在する。
次第に軟調なREITに着目する意見がちらほら見え出している。
これから徐々に大きな流れとなっていくかもしれない。