投資狂日記

自由を追求するブログ

決算短信から何を読み解くか

今週は保有銘柄の決算短信が集中した。特に昨日は祝日前ということもあるのか4社が発表した。

まずは月曜日の芝浦電子を皮切りに、水曜日にジャストシステム、昨日はマークラインズ、IRジャパンHD、アンビスHD、カナミックネットワークが決算短信を発表した。

 

一言に決算短信といってもその内容は企業によって微妙に異なる。例えば、ジャストシステムは必要最低限のことしか記載がない。これは大株主であるキーエンスの影響なのだろう。一方、業績について詳しく記載する企業もあるし、決算短信と同時に決算補足説明資料も開示する企業もある。そういう対応からも企業姿勢が垣間見えるので投資の参考になる。

 

今回の決算短信で注目したのは最近ポートフォリオに加えたIRジャパンHDだ。

IRジャパンHDの株価は2021年初頭には19,550円という高値をつけていたが、その後みるみる下落して一時は5,000円を割り込むまで落ち込んだ。

大きな落ち込みの要因の一つは、2022年3月期の業績進捗度が業績予想からみて悪く、いずれ業績予想の下方修正があるのではないかと思われていることだ。

それで今回の第3四半期決算に注目することになる。

22年3月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比13.9%減の24.5億円。通期予想の59.9億円に対する進捗率は41.1%にとどまる。第3四半期でこの進捗具合だと予想水準に達するのはさすがに困難だと思われても仕方ない。

だが会社側はそれでもなお業績の下方修正をせず、通期予想を据え置いている。それはなぜなのか。

決算短信をよく読むと、業績の進捗が遅いのは案件の期ズレにある。会社の言う通りならば、第4四半期に期ズレが解消して収益が一気に計上され通期予想に到達することになる。問題はそれが本当に実現するシナリオなのかどうかだ。

2021年3月期の本決算前には業績下方修正を発表しており、今回もそうなる可能性がある。多くの投資家はそのように懐疑的なわけで、決算発表後のPTS市場でも大幅下落となっている。

今回も業績の下方修正が発表される可能性はある。だが、あったとしても思ったほど大幅な悪化はない気がする。これだけ進捗度が悪いにもかかわらず今の時点で下方修正しないのは、経営陣にある程度自信があることを裏付けているとも考えられるからだ。配当予想も前期より増加しており、中間配当も増えている。利益に自信がなければ予想配当を増額するのは難しい。もし仮に今後自社株買いもするとなれば、市場の評価は一変するかもしれない。

確かにリスクはあるが、IRジャパンHDについて長期的にみればまだまだ成長余地はあり投資妙味はあると私は判断している。

 

決算短信を読み込む醍醐味は、こうした推理をしてみることにある。その推理が的中するかはわからないが、こうしたことを継続してやっていくことは無駄ではないと思っている。