法人の証券口座開設が完了した。
ようやくこれで本格的に取り組む環境が整った。
オプション取引は以前にも取り組んでいた。だがその時は知識も中途半端で、日中も確認できる環境になかったので途中でやめてしまった。ただ、ちょうどアベノミクス相場で日経平均が急上昇しているときだったのでかなりの利益が出すことができた。
このようにオプション取引はうまくいけばかなりの利益も期待できる。だが一方でうまくいかなかったら吹っ飛んで即退場となりうる危険性も持っている。
オプション取引を題材にしたブログを見てみても、長続きしているものは少ない。ただ単に更新が面倒でやめてしまったものももちろんあるだろうが、おそらくは大損したためだろう。
そういう危険性があるけど、オプション取引には魅力があって、知的好奇心がくすぐられる。怪しい道へ足を突っ込んでしまったともいえる。
「そもそもオプション取引って何なの」という根本的にとっつきにくいところがある。興味を持って本を読んだりしても何やら難しそうな数式が出てきたりするし、仕組みもややこしく感じる。でもオプション取引のリスクをわかったうえで使いこなせれば、投資ツールとしてかなり役に立つ。
あのウォーレン・バフェットもオプション取引を知っているし、実際取引をしている。バークシャーの中核事業は保険だが、そもそも保険というのはオプション取引と似ている。そして最近では仮想通貨について「すべての仮想通貨の5年先のプット(売る権利)が買えるなら喜んで買う。」と発言した。プットを買うということは、この先5年以内に仮想通貨は下落すると考えているのだ。
オプション取引をする大きな理由の一つは、ブラック・スワン対策だ。今年2月の株式市場での急落はブラック・スワンといえるほどではないが、こうした突発的な急落に対応するためオプション取引で安いプットオプションを買っておくことは保険になる。投資家はまずは生き残っていなければならない。
そしてもう一つは相場が動かないときにも対応できるということだ。オプション取引ではオプションを買うのみならず売ることもできる。相場が大きく動くと思えばオプションを買い、動かないと思えばオプションを売る、ということができるのだ。この「オプションの売り」というのが大きな魅力である一方で、同時に大きな潜在的リスクを持っている。
オプションには権利の行使期限が決まっており、その期限まで時間的価値というのが存在する。そしてこの時間的価値は時が進むごとに減っていく。減っていくということは、オプションの売り手にとって有利だ。時間は確実に進み、行使期限までに何も起こらなければその時間的価値はすべて売り手の儲けとなる。儲けは限定的だけどその儲ける確率は高い。個人投資家がオプションの売りを積極的にするようになるのはこの魅力のせいだ。
だが、あるとき状況は一変する。リーマンショックや東日本大震災のような突発的で巨大な事象が起きた時、オプションの売り手は大打撃を受ける。確率は低いけど、そのもしものとき、これまでの利益が吹っ飛び、悪ければ即退場となる。
逆にオプションの買いはとてつもなく儲ける可能性があるが、その確率は低い。
世の中うまくできているのだ。そしてうまい話はない。
だから実際はオプションの売りと買いを織り交ぜてリスクを限定しつつ利益を狙うことになる。
投資家として生き残るためにオプション取引を使う。だが使い方を間違えば吹っ飛ぶ。
やっぱり怪しい世界に足を突っ込んでしまったようだ。