東日本大震災から13年経った。時の流れは速いものだ。まさに光陰矢の如し。
今日、第96回アカデミー賞の授賞式が米ハリウッドで開かれ、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞に選ばれた。
私はこの映画を観ていないが、震災を経験した後はずっとこの「君たちはどう生きるか」という問いかけが頭にあったように思う。
世の中が急速に変化しつつあり、なかなか思うようにはいかないことも多い。
そんななか、同じくアカデミー賞にノミネートされた「PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)」で描かれた主人公の日常は、ひとつの生き方を示している。
何の変哲もない平凡な日常の中にいると、その大切さを忘れてしまう。
震災がそれを教えてくれたはずなのに、記憶の隅に追いやってしまう。
そしてやがて平凡な日常を壊す何かが起きる。
地震や大洪水か、あるいは新たな未知の感染症かもしれないし、戦争かもしれない。
その平凡な日常を壊すものを象徴的に示すのが「ゴジラ」だ。
「ゴジラ-1.0」は視覚効果賞に選ばれた。この映画では、ゴジラや破壊されていく街がCGによってリアルに描かれている。
映画の「ゴジラ」は虚構だ。しかし、これからいつか襲来するであろう「ゴジラ」のような何かに直面することは現実になるだろう。
そのとき、悔いのない人生を送ってきたかどうかが問われることになる。
3.11の鎮魂歌として聴いている曲