米国とイランの停戦は延長されるようだ。トランプ氏は期限までに交渉がまとまらなければ戦闘再開としていたが、仲介役のパキスタンに配慮したのかもしれない。ただ、本音は消耗戦になることを避けたいのだろう。
依然としてホルムズ海峡の封鎖がどうなるか見通しが立たず、経済への影響がじわじわ広がりつつある。これから本格化する企業決算と今後の業績見通しにも変化が生じるかもしれない。
ロシアがウクライナへ侵攻して以降、地政学リスクは減るどころかますます増大し、企業はその対応に迫られている。これまで多くの大企業はひたすら効率化のためグローバルに最適化されたサプライチェーンを構築してきたが、地政学リスクに対し脆弱となって企業の存続すら危うくなる可能性が意識され始めている。
これはパラダイムシフトが起きている現象の一つなのかもしれない。
パラダイムシフトとは、その時代や分野で当然の前提や常識とされていた思想・価値観が劇的に変化することをいう。
これまでは良いとされてきたことがかえって悪影響をもたらすものになってしまう。効率性の追求が脆さをもたらしたことで、何が起きても柔軟に対応できるしなやかさが求められるようになる。
そしてAIがパラダイムシフトを加速させることになる。
AI自体の進化も注目されているが、より重要なのはAIを動かし続ける電力などのインフラになる。どんなに高性能な軍艦や戦闘機でも燃料や弾薬がなければ全く意味がないように、AIがどんなに優れていてもそれを動かし続けるインフラが整っていなければ使い物にならない。そしてそのインフラは国の政策とも関連しており、企業と国の関係もこれまでとは変化するようになるのではないか。
また、社会の前提や価値観が変化するなら個人としても変化せざるを得ないだろう。企業も個人も変化に取り残される危険性はある。だが逆に言えばそれだけチャンスもあるということだ。