高市首相が進めようとしている政策によって、英国で起きた「トラス・ショック」と同様のことが起きるのではないかと囁かれている。
英国と日本では経済構造が違うからトラス・ショックのようなことは起きない、と高市首相を支持する人々は主張するのだろう。
作家のマーク・トウェインは、
「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」
と言った。
国によって経済状況は違うとしても、市場に参加している人々に国境はなく、市場参加者の心理によってもその動きは左右される。それが時には論理を超えたものにもなりうるがゆえに、同じことが繰り返されないまでも似たようなことは起きうる。
それ以上に、歴史が韻を踏むといえるのは、人間の行動様式があまり変わらないからではないか。
そして、日本がかつて戦争へと突き進んだ時の空気と現在の空気が似ていると感じるのは、日本人の行動様式が変わっていないからではないか。
日本が無謀ともいえる戦争を始めたのは軍部の暴走ともいえるが、それを陰で支えていたのは民衆の空気だ。鬼畜米英と叫び、苦しい状況を打破するために民衆は戦争を望んだ。日米の国力差を冷静に分析する声はかき消され、非国民扱いされた。
現在はどうか。高市首相に対する支持率は高く、積極財政を声高に叫んでいる。財政規律を口にする者は罵られ、それこそ売国奴扱いだ。
こうした状況が招く結果はどうなるか。
歴史を振り返ればわかるだろう。
日本人の行動様式は変わっていない。変わっていないなら似たようなことが起きる。
行きつくところまで行かないと変わろうとしない。
海外投資家はすでに高市首相の政策に否定的な反応を見せ始めていることも見て見ぬふりだ。
先日、歴史の振り子がいよいよ狂気を帯び始めてきたように感じていると書いた。
この狂気は民衆の空気そのものだといえる。