日経電子版に興味深い記事があった。
『米国で「ブルーカラービリオネア」現象 AI発展で潤う肉体労働者』
米国では一般のホワイトカラーの稼ぐ機会が減少する一方で、ブルーカラーへの需要が高まってその収入が増えているという。さすがにビリオネアというのは誇張だが、ホワイトカラーの仕事が減少し、ブルーカラーへシフトしつつあるという傾向は無視できない兆候なのではないか。
これまではホワイトカラーの知識労働者が優勢であり、特に金融やITの分野で突出し過ぎた面がある。ウォール街やシリコンバレーがエリートの巣窟だとしてトランプ大統領支持者から目の敵にされるのもそのためだ。
だが皮肉にも知識労働者が生み出したAIがホワイトカラーの仕事を駆逐し始めている。
かわりにAIで代替できないような技能的・職人的な仕事に需要が集まりつつある。
これは教育にも影響が出てくる。多額の教育費を費やして有名大学を卒業しても職につけない一方で、職業訓練校の卒業者は引く手あまただという。こうした傾向は日本の学歴社会を変化させることにつながるのではないか。
また人だけでなく企業の事業もAIによって代替されうるなら、企業の存在自体が危うくなるケースも出てくるに違いない。自分の投資先がAIによって消滅する可能性をも頭の片隅に置いておく必要があるかもしれない。