街を歩いていると様々な変化に気付く。その変化から投資のヒントになることもあるのでいろいろ観察することにしている。
最近も近所ではチェーン展開している紳士服店が閉店して、その空いたテナントには新たにフィットネスジムがオープンするらしい。そこの近くにはあのチョコザップがすでにあって、さらに別のフィットネスジムもある。スーツを着る機会が激減した時代の流れもあって紳士服店が減っていくのはわかるが、そんなにフィットネスジムは需要があるのだろうか。
健康維持のためには適度な運動が必要だとされる。それがさらに宣伝されるようになると人々はそれがまるで義務のように感じてしまうのかもしれない。わざわざお金を払って運動するために通うようになるわけだ。
でもとても単純なことだが、運動はどこでもできる。
駅に行けばエスカレーターと階段があるが、ほとんどの人はエスカレーターへ向かっていく。エスカレーターに乗る人達の行列ができている一方で階段はガラガラなのはよく見る風景だ。運動が必要ならこの階段を上るという方法をとればいいのになぜかエスカレーターを使う。ダイエットしようと思っている人もエスカレーターを使いながら頭の中では食事を減らすことを考えている。
運動するためにはお金を払ってジムの会員にならないといけないと企業のマーケティングによって刷り込まれているからなのか。
こんなことが起きるのは「みんながエスカレーターを利用しているから」ということにも原因があるのだろう。みんなが動く方向へ流されていくのが楽でもあるからだ。
だが、ここで考える。
階段はガラガラで自分の好きなペースで上ることができる。行列で待つイライラもない。階段を上ることで適度な運動になる。こう考えれば階段を利用するということは合理的といえるはずだ。
このことに気づけるかどうか。
そして階段を利用するうえで立ちはだかる壁がある。「みんなと違う行動をとる」ということだ。自分は合理的な判断ができているにもかかわらず、みんなはそう行動していない。そのときみんなと違う行動がとれる勇気があるかどうか。
これって投資家としての行動原理にも似ているような気がする。
ところでフィットネスジム業界の先行きはどうなのだろう。近所にある複数のフィットネスジムが今後どうなっていくか興味深い。