最近で最も注目されている技術はやはりAIだろう。だからAIに関連する企業は株式市場でも人気がある。
私はこうした注目テーマによって銘柄を選ぶことはあまりしない。なぜなら、あまりに注目されると過剰な期待が先行して株価が実態から乖離して割高になってしまう傾向があるからだ。そんな状況で投資しても旨味は少なく、期待が剥げ落ちた場合のリスクが大きくなってしまうので、注目テーマからは銘柄を探さないようにしている。
ただ、注目していた企業に投資したところたまたまその企業が最新技術に絡んでいたというケースはある。
そんな一つが人工光合成という技術だ。
植物は光エネルギーで水とCO₂を使い酸素と有機物を作り出すが、人工光合成はこれを人工的に再現する。太陽エネルギーを直接利用するため化石燃料に依存せず、工場などから排出されるCO₂を原料として活用するため温暖化対策にもつながることから実用化に向けて研究開発が進められている。
環境省も実用化を支援しており、2030年から2035年にかけて一部の実用化を目指し、2040年には化学原料の量産化を視野に入れている。技術的なハードルをクリアするためにまだまだ時間がかかるが、長期投資の視点からすれば興味深い技術といえる。
この人工光合成についてはデクセリアルズへの投資を通じて知ることになった。デクセリアルズは人工光合成用光触媒の開発に取り組んでいる。
トヨタ自動車、NTT、パナソニックなども研究開発しており、さらに三菱ケミカルや富士フイルム、国際石油開発帝石、三井化学、TOTOなどで構成する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」は2030年度の実用化を目指している。
AIに比べればまだまだ注目度は低いが、低い今だからこそ注目しておくのも悪くないと思う。