日経平均株価が高値を更新した。トランプ関税による不透明さが薄まったことに加え、決算発表で予想よりも業績が悪くないことが要因らしい。
株高になることは嬉しいものだが、一方で「本当に大丈夫か」という不安ももたげてくるのも確かだ。
最も恐れるべきは期待ばかりが膨らんでしまうことだ。
期待だけが膨らんでいけば株価は適正値からどんどん離れて上昇していく。その期待が実現したりすればいいのだが現実はそう甘くない。大抵大きすぎる期待は裏切られ、失望に変わる。期待が失望になったとたんに株価は暴落するわけだ。
であるなら、世間からまったく期待されていないところに注目したほうが上手くいくはずだ。期待されていなかったのに業績が滅茶苦茶良かったとなれば一斉に注目を浴びるようになり株価が急騰する。
だから投資する際はできるだけ注目されておらず、期待が低いうちにすることを意識する。
でもこれが難しいのだ。世間で期待が低い銘柄にもかかわらず自分だけはそれに期待しているわけで、もしただの思い込みだったら自分だけが痛い目に合うことになる。かといって自分が期待していない銘柄に投資するというのも矛盾している。
期待というのは相対的なものだから、他人の期待と自分の期待がどれくらいの水準なのかを推測して意思決定するしかないのだろう。
この期待の水準というのはやっかいだ。気付かぬうちに他人の期待ばかりが気になってしまい、それに合わせようと無理して疲弊してしまう。
期待は持ち過ぎない方がいい。期待通りにならなかったときのダメージが少なくて済むし、期待以上だったら単純に嬉しくなる。
こう考えると、期待しないことこそが幸福への道なのかもしれない。
逆に、何かに期待し過ぎているなら、その水準を下げればいい。
さて、現在の株価水準はどれくらいの期待を反映しているのだろう。