政府の年金制度改革法案が衆院本会議で審議入りしている。政府案では当初、厚生年金の積立金活用による基礎年金底上げ策が盛り込まれていたが削除された。
これは、会社員らが入る厚生年金の積立金が個人事業主らが加入する国民年金に「流用」されるという批判がSNSなどで広まることを懸念したかららしい。立憲民主党は厚生年金の積立金を活用して基礎年金の底上げを求めているが、厚生年金加入者は損をするという「流用」批判は政府の説明不足によるものだという。
だがどんな説明だろうと「流用」することになるわけで、国民を言いくるめようとしているのではないのか。
結局は綻びはじめている年金制度を弥縫策でなんとか取り繕うとしているだけだ。こうした姑息なことがずっと続いているから年金制度への不信は高まっていく。そういう不信があるなかでどんどん社会保険料の負担は重くなっているのだから国民の不満が溜まるのも当然だ。
選挙を目前にして消費税減税が議論されているが、問題が深刻なのは税金よりも年金だと私は思っている。
だけど現状の議論を見る限り年金制度の胡散臭さはずっと消えないのだろう。