投資狂日記

自由を追求するブログ

働く意欲を奪うもの

先日の記事で「静かな退職」について触れたが、なぜこんな現象が増えているのか考えてみた。

 

根本にあるのは、頑張ったところで報われないことだろう。

頑張って成果を出したらその分収入が増えるかといえば必ずしもそうではない。むろん職場の給与規定などにも問題があるかもしれないが、それ以前に、収入が増えたらそれに比例して税金や社会保険料の負担も増えてしまい、手取りとしてあまり手元に残らなくなる。このことが働く意欲を妨げている。

「手取りを増やす」というスローガンを打ち出した国民民主党が支持されたのもこうした背景を感じている人が多い証拠なのだろう。

 

頑張っても報われないのなら、最低限の仕事しかせずそこそこの収入を得て仕事以外の楽しいことに打ち込んだほうがいい、と思うのも無理はない。経済が活性化しないのは、こうした状況が一向に変わる気配がないという虚無感が社会全体を覆っているからではないか。意欲のある人の足を引っ張り、意欲をを失わせるばかりでは生産性や効率性を上げようとも思わないだろう。

頑張ったら罰ゲームが待っているならバカバカしくて誰も参加しなくなる。

 

高所得者に高負担、低所得者に低負担という負担能力によって富の再配分をすることは一見理に適っているようにみえる。だが一方で、頑張る意欲のある人の行動を阻害してしまう。そして他人の足を引っ張ることばかりに気が向くようになる。やがて、誰も稼ごうとせず、他人から奪おうとする者ばかりが増えるだろう。

減税だ、給付だ、と騒ぐのも、政府から金を奪うことに躍起になっているからだ。

 

結局誰も豊かになれず、みんなが貧しくなっていく。

この罰ゲームのような仕組みを変えない限り活力は戻ってこない。

 

また選挙を前にして相変わらず同じようなことが繰り返されていくのだろう。