投資狂日記

自由を追求するブログ

ROE(自己資本利益率)とビジネスモデル

日本企業のROEは低いと言われる。上場企業の平均では10%に満たない。米国企業では20%近くあり、その差は歴然としている。

 

とはいえ、高ROEを維持する日本企業も存在するのは確かだ。ただその数が圧倒的に少ないがために全体的には低い水準になってしまう。

 

ROEの向上へむけて各企業も本腰を入れ始めた。最近ではトヨタがROE20%を目標に掲げたことが話題になった。

 

でもROEを本格的に向上させるのはかなり難題なのではないか。

というのも、高いROEを実現している企業の多くはそもそもビジネスモデルが優れている。ROEを分解すると、利益率・資産回転率・財務レバレッジに分けられるが、高ROE企業はだいたい利益率が高い。利益率が高いということはビジネスモデルが上手くできているということでもある。利益率が高く効率的にキャッシュを獲得できるから資金繰りも楽になり、自ずと借金も少なくなる。そして獲得した資金をさらに事業に投資することでどんどん拡大していくという好循環になるのだ。

 

だからROEを向上させることはビジネスモデルを変えることでもある。

東証が株価を意識した経営を要請したことで自社株買いや配当を増加させる企業が増えたが、それは自己資本を圧縮して目先のROEを向上させたに過ぎない。単に財務レバレッジが変化しただけだ。利益率か資産回転率を上げるようにしない限り根本的なROEの上昇には結びつかない。

 

ROEは優れたビジネスモデルの結果なのだ。

だから株式投資では高ROE企業を選ぶ。

優れたビジネスモデルの企業を選んだ方が長い目で見て上手くいく可能性が高いからだ。しかも高ROE企業は自己資本複利で増加していくスピードが速いわけで、これは1株当たり純資産の増加スピードも速いということでもある。結局、株価もそれに連動して上昇していくことにつながる。

 

もしROEが向上していたらビジネスモデルに変化があったかどうか確認したい。

もしそうであったなら投資対象として有望かもしれない。