ホンダと日産の統合が白紙になった。
日産側のリストラが不十分ということらしい。確かに事業再建に対する覚悟というか意気込みがあまり感じられず、統合すればなんとかなるだろうみたいな甘えがあるような気がする。ホンダによる子会社化を提案されたことでプライドが傷つけられたとも考えられるが、時価総額でホンダの約5分の1にすぎないにもかかわらずなおも見栄を張ろうとしてもただみっともないだけだ。
これで日産はかなり厳しい状況に陥ることになるだろう。結局は鴻海精密工業の軍門に下ることになるかもしれない。
一方のホンダも状況は厳しい。どうしても日産を取り込みたければTOBを仕掛けてもいいと思うが、統合したとて本当に望むような効果が出るかはわからない。やはり両社で根本的な社風が合わないのではないか。統合への反対意見がかなりあったことも頷ける。
現在のホンダの稼ぎ頭は二輪事業だ。利益率も市場シェアも四輪より高い。
もし、四輪事業を切り離したとしたらどうなるだろう。四輪事業の将来が厳しくなっていく中、二輪事業へ経営資源を集中させることも選択肢ではないか。分離した四輪事業は提携しているソニーとの関係を強化するのも手だろう。日産よりもソニーのほうがはるかに可能性があるような気がする。
いすれにせよ日本の自動車産業にとって今年は大きなターニングポイントになるかもしれない。しかもその行方は厳しい茨の道だ。