私の保有銘柄の一つである芝浦電子に大きな動きがあった。
昨日、台湾企業のヤゲオが芝浦電子にTOB(株式公開買い付け)を開始すると発表した。TOB価格は4,300円。TOB発表前日の株価は3,150円付近だったが、この発表が明らかになると株価は急騰しストップ高となった。TOB価格までサヤ寄せするとは思っていたが、今日はTOB価格をさらに上回る水準でストップ高となっている。
株式市場は本当に何が起きるかわからない。
そして株式の評価も一瞬で変わってしまう。
それまで株価が3,100円から3,200円あたりで推移していたところに、突然TOB価格4,300円で買うという者が現れた。買収意思を示したからにはそれ相応の企業価値があると見込んでいることになる。だが株式市場での株価はTOB価格よりさらに上へ上昇しそうな勢いだ。
この現象をどう考えるか。
株式市場はTOB価格が低いと見ているのだろうか。それならTOB発表前の株価はいったい何だったのだろう。割安に放置されていたがTOBで注目を集めたことで企業価値が再評価されたということなのだろうか。それともTOBによって需給バランスが崩れただけなのか。まさに価格と価値の違いについて考えさせられる。
このTOBが成功するかどうかはまだわからない。
できるだけ有利な状況、すなわちTOB価格より高い株価のところで手放したいところだ。でも今のところTOB価格を上回った状態であり、今後さらに株価が上昇するならTOBを諦めることになるかもしれない。そしてTOBを諦めた途端に株価が急落することも考えられるし、このあたりの駆け引きが活発になるかもしれない。
TOBがなければずっと保有し続けるつもりだったが、こうなるとそうも言っていられなくなる。長期保有したくてもできなくなるという状況が生じる以上、長期保有というのはやはり結果でしかないのだ。
さて、売却を前提として次に何を買うか考えないといけない。いくつか候補はあるのでこれからじっくり検討したい。