私は日経新聞の朝刊と電子版の両方を購読している。紙媒体の電子化が進んで久しいが、紙は紙でいいところもあるのであえて朝刊も配達してもらっている。
そして今日の朝刊には「日経ヴェリタスの電子版創刊」という記事があった。日経ヴェリタスは創刊以来購読してきたが、ついに紙から電子化されることになった。
こうした流れには抗えない。ゴミ置き場に新聞紙の束を見かけることはほとんどなくなってしまった。
これを機に日経新聞の朝刊はやめて電子版に一本化しようかと考えている。
電子化されることのメリットはたくさんあるが、逆にデメリットとなることはなんだろう。
情報のスピードという点ではデジタル化されたほうがいい。でもスピード化されると同時に大量の情報が出回ることにもなる。そこには情報の真偽が不明なもの混じっており、しかも無料で手に入る。有料で手に入る情報もあるが、有料だからといって中身が優良とは限らない。
あまりにも情報量が多いので、どうしても情報の吟味は瞬間的になる。パッと見ただけで判断され、じっくり読み込まないといけない情報は敬遠されていく。そして文字よりも映像が中心となる。いわば「悪貨は良貨を駆逐する」ように「映像は文字を駆逐する」ようになる。
この結果、読む力も次第に衰えていくのではないか。
読むことだけではなく、実は書くことも衰えているかもしれない。
実際、日常生活で書くという行為が劇的に減っている。
学校でもタブレットなどが普及して文字を書くということが減っていくことになるだろう。このことが学力にどう影響していくかはわからないが、読み書き能力が衰えていくとなればあらゆる分野に影響が出る可能性がある。
デジタル化で効率的になり便利になると同時に紙媒体は衰えていく。
得るものもあれば失うものもある。
これは果たして望ましい進歩なのだろうか。