セブン&アイ・ホールディングスの買収が混沌としている。創業家が米国の大手投資ファンドに資金拠出を打診したと報じられ、創業家は株式市場から退場したくてしょうがないようだ。そしてとにかく自分たちの地位を守りたいということなのだろう。状況が厳しくなると本音が出てくる。
なんやかんやと口を出されることになる株式市場は面倒くさい場所でもある。その面倒くささがあるにもかかわらず株式上場する意義は何なのか。その意義を見失った上場企業も多いのではないか。
セブン&アイが株式市場から退場するかはわからないが、ここ最近はMBOで株式市場から退場していく企業が増えた。株式市場の面倒くささに耐えられなくなっているのだろう。
逆に、上場したい企業も次々に現れる。
そして上場した後も投資家の期待に応えて成長し続ける企業もある。
だが、上場自体がまるでゴールのような企業もある。株価は上場した時点がピークで、あとは鳴かず飛ばずで時間が過ぎていき、上場している意味がわからない企業が株式市場に居座り続ける。
これまではそれでも許されていた。上場企業であることがステータスとして機能していた。
でももうそういう時代は過ぎ去った。
株式市場は上場企業にとって面倒くさいところなのだ。その面倒くささに対応しないといけない場所になった。それができなければ退場を迫られる。
そうやって株式市場が活性化し、上場企業と投資家が互いに切磋琢磨する場となる。
だから投資家も株式市場を企業にとって居心地のいい場所にしてはいけないのだ。
そう考えると、インデックス投資というのは個々の企業には関心がないから上場企業にとっては株式市場の居心地を良くさせるものなのかもしれない。そうであるならインデックス投資が広まりすぎると上場の意義など考えない企業が跋扈することになるのではないか。それは巡り巡って投資パフォーマンスを低下させ、インデックス投資もその影響を受けることになる。
投資家にとっても株式市場は居心地のいい場所ではなく、やはりある種の面倒くささと付き合わないといけないのだろう。