兵庫県知事選挙は、県議会による不信任決議によって失職した斎藤元彦氏が返り咲いた。この結果は非常に興味深い。あれだけパワハラ疑惑などがメディアによって報じられたにもかかわらず、兵庫県民は斎藤氏を選んだ。
米国大統領選挙でもメディアの事前予想とは異なり、ふたを開けてみればトランプ氏の圧勝という結果だった。
もはやメディアは民意を反映していないことを表しているように見える。その代わりにSNSなどネットの影響のほうがはるかに大きくなった。
とにもかくにも民意は示された。
民意は受け入れなければならないのが民主主義だ。
そしてその民意による結果も受け入れなければならない。
英国は民意によってEU離脱を決めた。
EUから離脱さえすれば様々な問題が解決するとされ、実際にEU離脱か決定したことに英国民は熱狂した。
だがEU離脱によって現実はどうなったか。
深刻な人手不足に陥り、物流が滞ってインフレがひどくなった。
多くの英国民はEU離脱を後悔しているという。
でもそう決めたのは英国民自身だ。
だから文句は言えないし、後戻りもできない。
日常の生活が苦しくなる中、ついに政権交代が起きた。それでも支持率は低迷しているという。
これも民意だ。
米国民は次期大統領にトランプ氏を選び、兵庫県民は前知事の斉藤氏を支持した。
衆院選では与党が議席の過半数を取れず、野党との連携を模索しなければ法案が通らなくなった。政治が不安定化することになるが、それも民意だ。
その民意が何をもたらすことになるかはわからない。
良い結果をもたらすかもしれないし、最悪な結果を招くかもしれない。
でもその民意による結果は受け入れなければならない。
その覚悟は私たちにあるのだろうか。