選挙戦真っ最中だ。連日の街頭演説に選挙カーの声。だがなんとなくしらけている感じがする。
株式市場も軟調が続いている。米国大統領選挙も先行き不透明なことも相まって様子見気分になっているのかもしれない。
こうした雰囲気はどこから来るのか。
今回は与党と野党の対決というより、与党である自民党の内部対立が背景にあるからではないかと考えている。
自民党内の対立というのは具体的には旧安倍派とそれ以外の対立だ。
石破首相の誕生によってその対立がより鮮明になった。自民党総裁選挙の決選投票で高市氏ではなく石破氏が選ばれたことが象徴している。それまで政権の主流にいた旧安倍派は表面上は解体され、主流から非主流となった。さらに選挙戦においても冷遇され、その亀裂はより深くなっている。
そして自民党は今回の選挙で苦戦すると予想されている。かといって野党が政権奪取するほどでもない。でも与党が選挙後に政権を維持できたとしてもその基盤は弱くなる。となると経済政策の推進は期待できないし、できたとしても単にバラマキになってツケはどんどん後に回される。それよりも次の政権を誰が担うのかに関心が向かうようになる。
旧安倍派が盛り返すことになるのか、あるいはいっそう対立が激しくなって分裂するような事態になるのか。派閥という集団が解体されたとしても、新たに集団を作るとなるなら新党ということもありうる。
いすれにしろ政治は混迷の時代になることを想像させる。そうした雰囲気を嗅ぎ取って株式市場は反応しているのだろうか。
株式市場にとって「選挙は買い」だったが、今回はそうならない可能性がある。政治への期待感はかなり低いということなのだろう。
期待が低いところでサプライズがあれば面白いのだけれど、そのサプライズすら期待できない。