セブン&アイHDがカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた。アリマンタシォンはサークルKなどのコンビニチェーンを次々と買収して拡大した企業でセブン&アイよりも時価総額は大きい。
もし買収されたら国内最強コンビニであるセブンイレブンは、国内で敗者だったサークルKになってしまうかもしれず、なんとも皮肉なことになる。
この提案の是非についてはセブン&アイの独立社外取締役のグループが検討することになっている。だが買収に反対したらアリマンタシォンは敵対的TOBを仕掛けるかもしれない。しかも現在の株価の2倍近くの買収価格を提示されたら既存株主の多くは応じるのではないか。
すでに買収提案後の株価は急騰している。もし買収を拒否すれば株価は急落し株主は損害を被ることになるかもしれず、拒否するには株主が納得する理由がなければならない。
それだけセブン&アイの株価は低かったということだ。しかも円安であることが割安さに拍車をかけている。
これはセブン&アイだけではない。
日本の大企業も海外から見れば割安になっている。ようやく株価を意識した経営へ向かっているが、その前に買収提案が次々にやってくるかもしれない。新NISAで個人の株式投資への関心が集まっているところに魅力的な買収価格を示されれば、投資家はそちらへなびく可能性は高くなる。
セブン&アイへの買収提案は日本の大企業の経営陣に少なからぬ衝撃があったのではないか。買収提案されれば経営陣にとって自分の地位が危うくなるかもしれず、他人事で済むことではない。
株式市場の急落から株価は戻りつつあるが、割安な日本企業は狙われている。セブン&アイへの買収提案はまだまだ序の口なのかもしれない。
次はどこか。
予想してみるのも面白い。