8月8日に宮崎県で震度6弱の揺れを観測したマグニチュード7.1の地震が起きたことで、気象庁は南海トラフ地震臨時情報を出した。これは南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているかららしい。
政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震ではマグニチュード8から9の巨大地震が今後30年以内に「70%から80%」の確率で発生すると予測している。
この確率の数字をどう捉えるかは難しい。
70%から80%の確率というとかなり高いという感覚がある。また、30%から20%は発生しないこともありうるわけだ。
でもこんな数字を示されたところで不確実性が解消されるわけでもない。確率が10%だったら安心できるわけでもない。
結局は起きるか起きないかのどちらかなのだ。
それが今日なのか明日なのか5年後なのかわからないから不安になるだけだ。
地震はいつかは必ず起きる。
それを頭に入れて日々過ごすしかない。
だがそういう不吉なことを考えないようにしてしまう。だからいざという時に慌てふためく。
慌てふためくのはなぜか。
それは死を意識することになるからだ。
地震がいつか必ず起きるのと同じように死も必ずやってくる。
明日死ぬ確率は低いかもしれないが、それは自分でそう思い込んでいるからにすぎない。
死なないと思い込んでいるだけで、いつかは確実に死ぬことになる。
こう考えると発生確率というものにそれほど意味があるとも思えない。
東日本大震災を経験して、自分の時間は有限であることを強く意識するようになった。
その有限な時間をできるだけ長くする努力も必要だが、むしろその時間をどう使うかのほうが大切な気がしている。
有限な時間が突然終わってしまうこともあるわけだから。